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硬質ウレタンフォーム
発泡プラスチックは軟質フォーム、半硬質フォーム、硬質フォームの3種類に分類される。ウレタン素材はこれらの発泡体が容易に得られ、この中の硬質フォームが断熱材として建材などに使われており、通称、硬質ウレタンフォームと呼んでいます。
硬質ウレタンフォームは、圧縮硬度が大きいか変形を受けると応力を除いても元の形状にもどらない性質を持っている。この硬質ウレタンフォームは冷蔵庫の断熱材、閉断面構造物の内部に充填して軽量補強材などに使用されています。
特に住宅には外張り断熱で用いられる断熱材で、気泡には熱伝導率の極めて小さいガスが含まれているため優れた断熱性を持ち、薄くても十分にその効果を発揮します。自己接着性という他の断熱材にはない特長があり、現場発泡のものは接着剤を使わなくても金属・合板・コンクリート等の表面に直接発泡することで、対象物に強く接着した断熱層がつくれます。
硬質ウレタンフォームの特性
- 断熱性
- 硬質ウレタンフォームは独立した気泡によって構成されているので、優れた断熱効果を発揮し、断熱材の厚さを薄くすることができます。
- 耐水性・耐湿性
- 一般的に断熱材に水や水蒸気が侵入すると断熱効果に影響を及ぼします。しかし、硬質ウレタンフォームは独立気泡構造なので、水や水蒸気が侵入しにくく、断熱効果の低下はごくわずかです。さらにアキレスボードは防水、防湿性に優れた面材を使用していますので、吸水量、透湿係数が小さくなります。
- 耐熱性
- 硬質ウレタンフォームは熱硬化性樹脂のため、他のプラスチック類のように明確な軟化点や融点はありません。一般的には右のグラフのように100℃くらまで安定使用できます。ただし、湿度条件などにより異なりますのでご注意ください。また、低温では補強などを行うことにより、-70℃程度まで使用できます。
- 自己接着性
- 硬質ウレタンフォームは接着剤を使わず、種々の面材に発泡することで自己接着でき、被着体と一体の断熱構造がつくれます。
- 耐薬品性
- 耐薬品性にも優れています。強酸および一部の溶剤を除いては、殆どがおかされることはありません。
- シックハウス対策
- 硬質ウレタンフォームは原材料にホルムアルデヒド、クロルピリホスは使用しておりません。また、硬質ウレタンフォームはホルムアルデヒド発散材料(国土交通省告示第1113号)の規制対象外となっていますので、使用面積の制限を受けることなくご利用いただけます。
硬質ウレタンフォームを使うメリット
- 省エネルギー性向上
- 温度変化の大きい外壁側に、この硬質ウレタンフォームの断熱材を使うことにより、外側空間の温度変化を室内に伝えず、温度を維持するためのエネルギーを少なくすることが出来ます。
- 建物の耐久性の向上
- 建物の外側をこの硬質ウレタンフォームの断熱材で包むことにより、壁材の膨張や収縮を少なくし、熱応力による躯体の劣化を低減させる効果があります。そのため建物自体の耐久性が向上します。
- 建物の室内環境向上
- 硬質ウレタンフォームを外断熱で利用した建物は、適切な暖冷房を行うことにより、室内の温度差を少なくすることができます。加えて適切な換気を行うことで、結露を防止し、快適な室内環境を実現します。
外断熱と室内環境
●安定した室内温度
壁の結露を防止し、室内のカビの発生を抑えることができます。快適な室内環境のために
●暖房計画/換気計画
外断熱工法は適切な暖冷房計画と組み合わされたとき、その効果を発揮します。たとえばセントラルヒーティング方式により住戸内に非暖房室を作らない、あるいは小規模機器で連続運転する、といった方法もそのひとつです。 石油ファンヒーターなどの開放型の暖房機器は使用しないでください。 24時間換気装置の設置は義務化されましたが、換気量確保と換気経路の明確化が重要です。●日射遮蔽/通風計画
日射遮蔽装置や通風を計ることにより夏期のオーバーヒートを防止することができます。これらを含めた建築計画が外断熱工法の特長を活かすためには非常に重要です。
グラスウール・ロックウールとの比較
薄くても十分にその効果を発揮する優れた断熱性がある「硬質ウレタンフォーム」は、他の断熱材と何が異なっているのか?MAT-HOMEでも使用してきた、高性能・高コストパフォーマンスな木造住宅の定番「グラスウール」と、床・壁・天井など住宅のほとんどの部位に使用可能な「ロックウール」と、性能を比較してみる。
グラスウール
リサイクルガラスなどを高温で溶かして細い繊維状にした断熱材です。床・壁・天井と住宅のほとんどの部位に使用でき、厚みが増し、密度が高くなるほど優れた断熱性能を発揮します。柔軟性が高く、木材の乾燥や収縮に対応でき、柱と柱の間に隙間なく施工していく充填断熱工法に適してします。無機質なので燃えず、有毒ガスも発生しません。また、高温多湿な状態に長く置かれても劣化しにくく、吸音性にも優れています。コストパフォーマンスの高い素材として人気があり、日本の木造住宅でもっとも多く使われています。
ロックウール
玄武岩、鉄鋼スラグなどを高温で溶かし、細い繊維状にした断熱材です。床・壁・天井など住宅のほとんどの部位に使用でき、650℃以上の熱にも耐えられるほど熱や火に強く、有毒ガスも発生しません。繊維の隙間に大量の動きにくい空気を含むことにより、優れた断熱性能を発揮します。
性能比較表
近年の一般住宅は高気密・高断熱とよく耳にするほど、密閉性と断熱性を求められています。特に東北でなお且つ福島県内でも雪が多い地域である会津地域では、より効率的で効果のある暖房器具とそれを建物自体が保つ事が重要になります。そこでMAT-HOMEでは断熱材を性能面からも厳選し、現在は硬質ウレタンフォームを採用しています。その性能比較表は以下になります。
まず表よりも分かるように『透湿抵抗』と『熱伝導率』は、グラスウールやロックウールよりも突出しています。
MAT-HOMEと主要建材・断熱材
1967年 (昭和42年) | 事業開始 住宅用グラスウール10Kを使用。 |
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1994年 (平成 6年) | 初めて硬質ウレタンフォームの高気密高断熱住宅を建築。 グラスウール10Kを主要建材として施行。 |
1998年 (平成10年) | 主要建材をグラスウール10Kの使用をから、全棟、住宅用ロックウールに切り替える。 |
2001年 (平成13年) | 全棟、硬質ウレタンフォームの高気密高断熱住宅に切り替える。 |
現在 | 以降、硬質ウレタンフォームによる外張り断熱の専門店としてやっております。 但し、木造住宅の場合に限ります。 |